概要

産業ビジョン検査システムは、その性能と寿命に重大な影響を与える可能性のある厳しい環境で動作します。食品と飲料産業では、液体、化学物質、高湿度などの条件が電子部品へ多大な危険を及ぼします。こうした要素は腐食、短絡、性能劣化の原因となり、堅牢な保護対策が必要となる場合があります。
治金と自動車部品の製造では、空気中を漂う粒子が完全に密閉されていない電子機器へ様々な干渉を加えます。また、周囲温度が通常より高いことで部品の熱的安定性と寿命が影響を受け、重機からの衝撃と振動がビジョンシステムの繊細な部品を破損させたり、整合性を損なう原因となります。
こうした課題を解消するため、メーカーは極端な条件に耐えられる特殊エンクロージャ、冷却システム、高度な素材に投資することがよくあります。頻繁に用いられる方法の一つに、組込みコンピュータをキャビネットやエンクロージャの内部へ配置し、動作環境から完全に隔離することです。
課題
ビジョン検査システムを空気中や高濃度の化学物質を含む粒子から隔離するため、密閉型のキャビネットやエンクロージャ内へ配置することには数々の課題があり、各機器の位置とレイアウトを注意深く計画する必要があります。
発熱する機器は(パッシブまたはアクティブの)冷却用に空間を設ける必要がありますが、それでも、エンクロージャ内で空気の流れが阻害されるため、機器が過熱することがよくあります。
複数の機器をキャビネット/エンクロージャへ押し込もうとすると、各機器の寸法が問題となります。機器が大きいほど、キャビネット/エンクロージャも広げなければなりません。しかし、ソリューションプロバイダーにとって、大型のキャビネット/エンクロージャはあまり妥協点のリストの上位にないことがほとんどです。

ソリューション
こうした努力を重ねてもなお、過酷な産業環境はビジョン検査システムの信頼性と精度を落とすことがあるため、継続的なイノベーションと徹底したメンテナンスの体制を保つ必要があることは明らかです。当社パートナーの一社は、Neousysのキャビネット内IPCを選定しました。フラットトップヒートシンクを搭載した組込みコンピュータです。
フラットトップヒートシンク搭載型の組込みコンピュータであるNeousysのキャビネット内IPCは、組込みシステムの特徴やその他の機能をすべて備えています。画期的なヒートシンク設計を施されており、エンクロージャの壁面に取り付いて放熱に利用します。従来の冷却フィンをエンクロージャに直接取り付けられる大型のヒートシンクで置き換えることにより、キャビネット表面を使用して冷却効率を最大化するだけでなく、貴重な空間も節約できるため、限られた環境に理想的です。
また、キャビネット内のヒートシンクコンピュータは全体的に小型の寸法を持ち、冷却用の空隙を設ける必要がない(省スペース)などのメリットを提供します。このため、エンクロージャ内に他の機器を設置する余裕が増えたり、冷却効果を増すために機器間の距離を広げることが可能になります。